“早明戦”から“スーパーラグビー”へ。ラグビー人気復活への道
「変えることが難しいことを変えた」岩渕健輔・日本ラグビーフットボール協会、元日本代表GMの哲学。世界最高峰リーグ参入、その先に見据えたものとは? 2/2
スケジュール調整などの課題も。でも「黒船」に乗るしかない
とはいえ、来年の2月にスーパーラグビーが始まるまでには、さまざまな調整や交渉を行っていくことが必要になる。
まずは国内リーグのスケジュールを調整しなければならない。トップリーグのプレーオフや日本選手権などと時期が重なる可能性があるし、選手の疲労を考えれば、トップリーグ全体のスケジュールを調整して、休養期間を設けることも検討されるだろう。
と同時にトップリーグの位置づけの問題も出てくる。
スーパーラグビーは、特別編成されたクラブチームによる国際大会となるため、トップリーグ側から見れば、上位の大会が設けられた形に映りかねない。これはヨーロッパサッカーにおいて、各国の国内リーグよりも、チャンピオンズリーグが上位の大会だと目されるようになった状況に似ていると言える。
当然、不満を抱く関係者はいるだろう。しかし八方ふさがりの状況を乗り越え、日本ラグビーが抱えてきた構造的な問題を解決していくためには、スーパーラグビーに活路を見出していくより他に方法はないように思う。
スーパーラグビーへの参戦は、日本のラグビー界に「黒船」にも似たインパクトを与えるはずだ。だが日本が本気で世界で戦っていこうとするなら、黒船に乗って大海原に漕ぎ出していかなければならない。私たちに今、問われているのは、日本ラグビーの未来のために覚悟を決められるかどうかになる。
(『変えることが難しいことを変える。』より構成)
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